経営の悩みや不安を一緒に解決する相談所『経営の駅』 高槻経営コンサルタント

「儲けろ」「儲けすぎるな」この板ばさみで苦しむ経営者


 

こんにちは。

経営の駅【マネージメントステーション】のフナさんです。

あなたは今、なんのために現在のビジネスをしていますか?

っていう問いをよく目にしませんか?

この質問があるたびに、心がざわざわしだす人も多いのではないでしょうか。

 

「ビジネスは儲けるためにしてるんだ!いくら良い商売でも儲けなかったら結局自分も、自分の周りも、そして地域にも迷惑をかけてしまうことになる。だから、儲けを出すことを最優先にする!」

一方では。。。

「ビジネスは人の役に立つ為にするんだ。儲けを最優先にしてしまうと、どうしても利己的な判断になってしまい、お客様の満足度や地域の活性化には繋がらず、結局独りよがりなビジネスになってしまう。」

こういった声も聞かれます。

 

この事に対して多くの人が疑念を抱くはずです。

その場その場で都合の良い方に意見をあわせるって人もいるのではないでしょうか。

 

 

究極のジレンマ           

 

「たくさん儲けたい」でも・・・ 儲けすぎて大丈夫かな?

そもそも儲けるってことは、、、

お客様から原価に対しての上乗せ金額(付加価値)をたくさん貰うって事。

 

その方法としては、今までと同じ商品やサービスを、今まで以上に高い価格にする。

もしくは、今までよりも品質を落として原価を下げて利幅を増やす。

 

たくさん儲けようと思って、単純に思いつくのはこのあたりだと思います。

実際もっとたくさん儲ける方法はあるかとは思いますが(補助金や助成金、免除申請などで利益を増やす、キャッシュフローではなく時価総額を吊り上げるなど)わたしたち一般のレベルでは、実際の商いでどうにかするって事がメインになってくるでしょう。

 

でも先ほどの儲け方を追求していくと、本来の価値以上の利益を求めるようになり、

過剰表現や、ニセ効果などを伝えるようになりかねません。

実際の効果よりもオーバーな表現をしてしまう。

最近こういう商売が増えているのが問題視されていますね。

 

儲けようとすると、どうしてもこの領域にたどり着いてしまうんです。

 

でもこれ、実は業界で見るとめちゃめちゃ負のスパイラルに陥っているって事に気付いていない事業主の方が多すぎるんですよ!

大学やビジネススクールで経済学などを真剣に学んだ方なら、このことは一瞬で理解できるでしょうが、そういった勉強をスルーして経営や役員、幹部になっている方は???になっている事でしょう。

 

 儲けすぎが危険な理由

 

店舗でビジネスをしていたり、地域へのサービスをしている方というのは、基本的にお客様の数、利用数というのは決まっています。

その限られた利用者を、そのエリアの同業者同士で奪い合っているという構図はわかりますか?

 

例えば、あなたの住んでいる地域にコンビニが1軒あります。

その向かい側にもう1軒コンビニが出来たとしましょう。

あなたは1ヶ月のコンビニ利用数は1軒の時と2軒の時とどっちが増えたでしょう?

 

こう質問されてあなたはなんて答えますか?

   ・

   ・

   ・

   ・

もしも「2軒のとき!」って答えたとしたら、ここからの話をしっかりと理解できるまで読み込んでください。

きっと消費者心理や消費者行動が理解できていない事だと思いますので。

 

もしもこの地域にスーパーやデパートがなく、モノを買うのにコンビニしか無いとして、

毎日仕事帰りにそのコンビニに寄って、食べ物や日用品なんかを購入していたとします。

この人は1日に1回このコンビニを利用しています。

 

そこに新しいコンビニが、向かい側にオープンしました。

この人は、新しいコンビニができ、気になったので向かい側のコンビニで買い物をしました。

そんな感じで、1日交代で2つのコンビニで買い物をするようになったのですが、

大事なのは、この人が買い物で使う金額が増えたのかって事です。

 

この人が食べる量、飲む量、トイレットぺーパーを使う量などは、コンビニが増えたからといって増えませんよね?

 

ということは、その地域で消費される量というのは、提供者がどれだけ増えても、決まっているって事です。

 

ここまではOKですか?

理解できなければ、理解できるまで読み込んでください。

 

そしてここからが重要ですよ!

 

さっきの人がもし、利用量が増えたり減ったりするとしたら、何が影響するのか?

 

それが『価格』なんですね。

 

消費者っていうのは、価格が高いと買う量を減らします。

逆に、価格が下がると買う量が増えます。

これが当たり前ですが、消費者の行動パターンです。

 

そして今回議題になっているのは、「たくさん儲けたい」って事ですね。

 

その地域に3店舗のコンビニがあったとしましょう。

その地域に100人の利用者がいたとして、この100人を獲得する事が重要なのですが、

「たくさん儲けたい!」ってお店側がみんな思って、より価格を上げたとしたら、

この100人の利用頻度はどうなるでしょうか?

 

経済学的にも、常識的にも頻度は落ちます。

 

しかし、提供者側(コンビニ側)はどうでしょう?

よりたくさん儲けたい!って思っているんですよね?

しかも、ライバルには負けられないってなっているから、当然陳列商品もおろそかには出来ません。

 

なので、生産量(商品量)は変わらないって事です!

むしろたくさん儲けたいのであれば増やしているかもしれません!

 

でも、お客様の利用量は減っているって事は、

業界全体としてはロス(廃棄などの無駄)が増えているって事ですよね?

 

「自分のところが一番お客様を呼ぶんだ!」って必死になってあらゆる戦略でお客様を呼べたお店があったとしましょう。ですが、地域全体の利用者数は変わらないため、その1店舗のみが儲けたとしても、その業界全体としては収入が減っているって事です。

 

当然ほかの店舗は儲けたいけどお客様の数や頻度が減っているので、逆に状況は悪化してしまう。

業界としての収入が減っているので、結果としてその地域に納税する税金額も減っている。

地域に貢献しているとは言えない状況になったということですね。

 

儲けた1店舗の集客率や利益率は増えたかもしれませんが、全体として見てみると、

  • 消費者は価格が上がった事で利用頻度が落ちた。結果満足度が低下した事になる。
  • 他の同業他社は、全体の消費者が減った事が原因で、経営が苦しくなる。
  • 地域としてはコンビニ業界からの税収が、値上げによる買い控えが原因で減収となる。

このような事態になり、結果として喜んでいるのはこの「儲けたい!」と一番強く願ったお店一つだけになっちゃうんですね。。。

 

利己的で独りよがりって言われる所以が、論理的にも実証されているって事です。

 

だから、こういったお店や経営者がいるって事がいかに『悪』かって事がよくわかりましたか?

この一人の行動が、全体のバランスをガタっと崩すってことです。

「おれさえ良ければあとの奴がどうなろうと知ったこっちゃない!」

って事を最終的に言う奴。

学べば学ぶほど、こういう奴のクズっぷりが解ると思います(笑)

 

では、反対に「お客様第一主義」ってのはどうなんでしょうか?

 

 

 横取りにご注意を!

 

「お客様が喜ぶ事が一番だ!」常々こう言いながら商売をしている人はきっと、ものすごく良い人で、すごい人間力の長けた方なんだろうなと思います。

きっと人間としてよく出来ているのだと。

 

しかし、こういった人が商売の世界で通用するのかと聞かれると、「う~ん。。。」というのが正直なところです。

 

確かに消費者にとってはものすごくありがたいことであり、満足度も高いと思います。

おそらくこの店主は、「まぁ自分は最低限、贅沢はできなくとも、暮らせていけたらいい」くらいの気持ちなのだろうと思います。

 

消費者も、本人も満足しているのだからそれでいいはずなのですが。。。

 

もちろんこのお店はお客様に最低限の負担で利用してもらうために、自分のお店もできるだけ無駄を省いています。少数精鋭で、商品以外にはなるべく経費を掛けないようにしているため、

そのお店の手前に、バカデカイ看板で、ギラギラ光らせたお城のようなお店ができたとすると、

このお店は目立たなくなり、誰にも気付かれなくなってしまい、お客様が激減してしまいます。

 

商品の質も良く、それでいて気軽に楽しめる価格で提供していても、そのお店に来る手前でものすごく経費をかけてアピールしているお店ができれば、そちらの方が商品の質が悪く、価格が高くても、お客を奪われるって事が起こります。

 

お客様の事を一番想っているお店のはずなのに、ただただ金をかけて目立つように作ったお店の方が繁盛してしまうんです。

これがまさしく「お客様は神様だ!」精神の崩壊論です。

 

消費者の事ばかりを考え、そこにばかり最適化を求めると、業界のライバルに対してのスキができてしまいます。

その『スキ』につけこんで、そこのお客を奪うということは日常茶飯事です。

 

コンビニやファストフード店がどうして一箇所に固まっているかってのもこの理論です。

 

A店とB店がお店を出店しようとしています。

そこは横に100mに伸びる一本道です。

A店が先に出店場所を決めました。

西の端から25mの位置だそうです。

 

こうなった時、B店はどこに出店するべきでしょう。という問題があったとすると、あなたはどこに出店するべきかわかりますか?

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

わかりましたか?

 

この場面、B店が「お客様第一主義」だった場合と、「利益優先」の場合を見ていきましょう。

 

まず、「お客様第一主義」の場合ですが、

この場合は、お客様がいかに負担無く買い物ができるかを考えるはずです。

 

「A店が西から25m、ようするに西から1/4の場所に出店したって事は、自分が東の端から25mの位置、ようするに東から1/4の位置に出店すれば、お客様の移動距離が一番少なくて済むな!」

このように考えるのではないでしょうか。

確かにこれなら、ちょうど真ん中で割って、東側と西側の移動距離が均等なので、お客様の負担も最大移動距離が25mってことですね。(わからなければ図に描いてみてください)

 

でも、これがいわゆる『スキ』ってやつです!

 

先に出店していたA店が、

「あっ。B店の真隣に店を移せば、西側の75m分(西から3/4)のお客様を全部とれるぞ!」

ってことに気付いたA店は早速B店の隣に店を移すでしょう。

これだけで集客は全体の3/4になりますからね。

 

B店の店主が利益最優先なら、きっと最初の出店時にA店の真隣をとっていたでしょう。

すると、A店はすかさずB店よりも東に出す。するとまたA店もB店よりも東に・・・

これをくりかえすと、だんだん真ん中に寄ってきます。

でも、東に寄り過ぎるとまた、西に出店する攻防が始まっちゃいます。

 

もう勘のするどい方はお気づきですね。

 

ようするに、お客の移動距離は最適にはならないが、商売の利益の事を考えると、両店とも真ん中に出店せざるを得ないって事になります。

 

これが、地域の真ん中にお店が集まる仕組みです。

 

ようするに、お客様のためにこの辺にあったら便利だな!と思って出店したとしても、

その真ん中よりの手前にライバル店が出店してしまうと、真ん中方向のお客は全部持っていかれるってことなんですね。

 

この場合は「儲けたい」って気持ちがないとお店が潰れちゃうんです。

 

このブログの題名の意味がわかりましたか!?

 

これこそが『究極のジレンマ』なのです。

 

なので、お客様のメリットだけを見たり、自店だけの利益だけを見たりして判断するのがどちらも危険だということです。

このお互いのメリットをどちらも明確に出したうえで、そのバランスのとれたポイントを商売として実行していく。これが一番性格の良い、誰にとっても文句のつけようのない最適なビジネスってことです。

 

この均衡状態を作り出したり、維持していくのは非常に難題です。

しかし、良識あるビジネスパーソンならば、常にこの考え方が自分の芯を通っている事が大切なのではないでしょうか。

ビジネスの核に近づく役職の人ほど、仕事の大多数が「選択・判断」ばかりになっていきます。

その際に、この均衡を求めるというスタンスが、地域、スタッフ、消費者、家族などを喜ばせる、仕事をするプロフェッショナルだとわたしは思います。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です